便秘、下痢|あさいキッズクリニック|東大阪市瓢箪山駅の小児科

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便秘、下痢

便秘、下痢|あさいキッズクリニック|東大阪市瓢箪山駅の小児科

便秘

便秘

便秘はこどものおよそ10%に見られる一般的な症状で、小児科ではよく見られる問題です。

便秘とは

便秘とは「便が長い時間でないか、出にくいこと」をいい、週3回より排便が少ないか5日以上でない日が続いた状態を便秘と定義されていますが、毎日出ていても、うんちを出すときに痛がっていたり、肛門が切れて血が出るような場合も便秘です。また便を出そうと思ってないときに便の液が漏れてしまう状態になっているときも、便秘が原因になっていることがあります。
便秘により治療が必要な状態を「便秘症」といい、便秘症が1~2ヶ月続いた場合を「慢性便秘症」といいます。

ただし、1歳未満の赤ちゃんの場合には排便が上手くできないため、うんちをなかなか出せないこともありますがこのような状態は「ディスケジア」とよばれ、回数が少なくても治療が必要なものではありません。綿棒などで肛門を刺激すると排便の助けになる場合があります。赤ちゃんの場合でも硬くて出にくい、おなかがはるなどの症状が続けば、便秘症と考えられます。

便秘の原因

こどもの便秘は多くの場合、食事や運動などの生活習慣の影響を受けて起こります。乳児期には母乳・ミルクを飲む量が少ない、幼児では食物繊維の摂取量が少ないことなどが原因で便が出にくくなると言われています。またトイレトレーニングの時期に排便を我慢したり、幼稚園や小学校の入園入学をきっかけに、環境の違いから緊張が続くことで腸の動きが悪くなることに加えて、小児がトイレに行ける時間が決まっており排便を我慢してしまうことが便秘の原因になることがあります。

便秘の悪循環について

便秘症は、放置しておくとだんだん悪くなることが多い病気です。
硬い便を出して肛門が切れ、痛い思いをすると、こどもは、次の排便を我慢してしまったり、肛門の筋肉を締めながら息むようになります。両足をX形にクロスして便を我慢することもあります。便を我慢すると、そのまま大腸に便が残り、水分が吸収されて、便はどんどん硬くなり、排便時にさらに強い痛みをともなうことになり、ますます便を我慢するという悪循環となります。
そのようなことが続いていると、常に便が腸(直腸)にある状態が続き、腸がだんだん鈍感になってしまいます。便秘でない人であれば、直腸に便が溜まると便意が生じるのですが、便秘の人はそれがおこりにくくなり、ますます便が長く腸にとどまって硬くなっていくのです。
このような2重の悪循環がおこるために、こどもの慢性の便秘症は悪くなっていってしまうと考えられています。

便秘の治療

治療の基本は、上記の悪循環を断ち切り排便のリズムを取り戻すことです。
まずは便秘薬や浣腸で直腸に溜まった便をしっかりと除去した上で、お薬を使用しながら日々の生活習慣、食習慣、排便習慣を見直し、最終的にはお薬なしで自然と排便できるようになることを目指します。便秘症の症状が改善した場合でも、すぐに治療をやめると元の状態に戻るので、2年以上治療が必要になることも多いです。

下痢

下痢とは

下痢は頻回の排便と水様便がみられるお子さまによく見られる症状です。
小児の下痢は嘔吐と同じようにお腹の感染症以外にも上気道炎(かぜ症候群)などでも起こることがあります。
その多くは急性で、流行性のウイルス性胃腸炎(ノロウイルス等)による症状で、嘔吐を伴うことも多く腹痛や発熱の症状がないこともあります。細菌性腸炎(キャンピロバクター、サルモネラ、病原性大腸菌)の場合は腹痛や発熱を伴うことが多く、血液や粘液交じりの下痢がみられることもあり注意が必要です。
2週間以上下痢が続く原因に慢性非特異性下痢症(乳幼児下痢症)があります。
生来健康なお子さま(6ヶ月~5歳)で、毎日2~4回以上、腹痛を伴わない多めの軟便があり、体重減少が見られないものです。特別な治療は必要ありません。
また、ウイルス性胃腸炎の後に下痢が2週間以上続く腸炎後症候群もよく見られます。
小腸の粘膜障害のため2次的に乳糖を分解できなくなり下痢が長引くするとされています。
アレルギーが関与する食物誘発性腸炎や好酸球性腸炎なども下痢が長引く原因とされています。
学童期には腹痛や体重減少、血便も伴う炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎やクローン病)や機能性胃腸障害(過敏性腸症候群等)も長引く下痢の原因として考える必要があります。
下痢も嘔吐と同様に周囲の流行歴や食事歴が重要です。便は画像に残して診察の時に見せてください。下痢は病気の診断も大切ですが同時に脱水の評価が重要になります。
症状の出る前の体重は、脱水の評価と治療方針に重要となりますので体重の記録はまめに行っておきましょう。脱水の程度に応じて点滴治療が必要になります。病気によっては入院して詳しい検査や治療が必要になりますので入院検査治療が可能な施設に紹介させていただきます。脱水の程度が軽度なら自宅での経口補水療法(ORT oral rehydration therapy)を行いましょう。母乳栄養の乳児は母乳を続けてください。人工乳の乳児ではミルクを希釈する必要はありません。

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