咳、鼻詰まり
咳、鼻詰まり
咳は発熱と同じくこどもの受診で頻度の高い訴えの一つです。
健康なお子さまでも咳は気道の刺激に対する生理的な反応ですので一日平均10回程度、多いときで30回程度見られることもあるといわれています。ただ保育園や幼稚園、学校を休むかどうか悩むこともあるでしょうし、夜間起きてしまうこともあればご家族としても心配なことでしょう。
小児期の咳の原因としてはRSウイルスやヒトメタニューモウイルス等の病原体によるウイルス感染症が多く、鼻水や発熱も伴うことがしばしばです。乳児期では感染症以外にも喉頭軟化症や血管輪などの先天疾患(生まれつきの病気)、胃食道逆流症などがあります。幼児期から学童期以降では感染症以外にも気道異物や気管支喘息が代表的な原因で受動喫煙や心因性によるものも見られます。ウイルス感染後の1~2週間は咳が残ることが良くありますが3週間以上咳が続く場合には百日咳や気管支喘息の可能性があります。また、副鼻腔炎や中耳炎により咳が長引く場合もあります。
当院では聴診だけではなく必要に応じて鼻腔や鼓膜の観察を行い病原体の迅速抗原検査や血液検査(アレルギー検査含む)を行い治療方針を決定します。症状の経過や診察から先天疾患、気道異物の疑いがあれば入院治療対応施設へ紹介させていただくこともあります。
こどもの鼻詰まりの原因は主に、かぜなどの感染症やアレルギーによるもののいずれかといわれています。こどもの鼻腔は大人と比べて狭いために、少しの鼻水でも鼻詰まりが起こりやすくなってしまいます。
軽い風邪によるものであれば、時間とともに自然に治っていきますが、中にはこどもの免疫機能が未発達なために副鼻腔炎や中耳炎を引き起こしてしまうこどもも少なくありません。
鼻水や鼻詰まりは、鼻の中をしっかり診察しなければ原因が分かりにくく、適切な治療や対処が難しくなります。そのままにせず、お気軽にご相談ください。
鼻詰まりは、実はこどもの成長に影響を及ぼすといわれております。鼻詰まりによって、十分な睡眠がとれないことで、集中力が続かない、落ち着きがないなどの症状が出ることがあります。また、鼻詰まりによって「口呼吸」になることで、歯並びにも影響を及ぼすと言われております。
こどもの鼻詰まりは、ただの風邪と思わず治療することが大切です。